苦味あってこそのコーヒー
ところで、コーヒーの話だが、かつて、いや今でも、コーヒーとは、大人の飲み物なのではないか。
苦味に加えて、「夜寝られなくなる」というのが、「よい子は飲んじゃダメ」の理由。
植物の苦みというのは、食虫害、つまり、自分を食べる虫から身を守るための戦略であるはずなのに、それさえも、嗜好品に仕立て上げる人間の貪欲さ。
でも、苦いけど、うまいよね。
夜の10時ごろに、スタバやタリーズのあるあたりを散歩することがある。
タリーズは、深夜までやっているツタヤの中にある。
ツタヤのおまけ的な感じ。
スタバは、それ専用の建物だ。
交差点の角に建てられている。
スタバの前を通るとき、いつも思うのだが、こんな夜遅くコーヒーを飲んで大丈夫なのか。
余計なお世話ですけど。
ドライブスルーもあって、時には、深夜に(夜10時11時は、もう深夜ではないのか)すごい車の行列になっていたりする。
カフェイン効かないの?
と、他人事ながら、心配にもなるが、スタバを通り越すと忘れる。
我が家でも、小学生の時は、飲ませてはもらえなかった。
子供(と言ってもてらぴーは一人っ子)に、コーヒーが解禁されたのは、高校生になってからだろうか。
父親は、昔から、電気仕様のサイフォン式で、レギュラーコーヒーを飲んでいた。
たぶん父親の淹れたコーヒーは、大学に入るまでは、飲ませてはもらえなかった。
ちなみに、電気仕様というのは、通常アルコールランプやガスなどの熱源が、電気ポット仕掛けになっているもの。
電気ポットでお湯を沸かして、その上に、大きめのサイフォンをぶちたてるようになっている。
珍しいと思う。
ナショナルの製品だった。
さて、眠れなくなる珈琲だった。
もちろん高校生の時は、勉強のためというのが表向きの理由。
それはすぐに、深夜のラジオを聞くために変わる。
「オールナイトニッポン」や「セイヤング」が花盛り(死語?)のころ。
マイナーだけど、「カルメンのオールナイトニッポン」が好きだった。
あと、東北放送(?)でDJやってらした、「きっかわ・だんじゅうろう」さん。
宮城県の人らしい。
宮城弁丸出しのおしゃべりだった。
時折、本気の宮城弁が出ると、何言ってるのかわからなくなる。
電波が弱くて、チューニングが大変だったというのも、今となっては懐かしい思い出。
眠気覚ましのコーヒーは、どこに行ったのだ。
その後に人生でも(大げさ)、眠気覚ましのコーヒーは、勉学に、バイトに、「ここは眠っちゃあなんねえ」っていう時に、出てきたように思う。
個人的な見解だけど、どうも、砂糖やミルクを入れると、コーヒーの眠気覚まし効果というか、カフェインの効力も半減するような気がする。
根拠は、ありません。
やはり、あの苦みが、覚醒をもたらしていたのでは、と思う。
苦味のないコーヒーは、だから、クリープを入れないコーヒーって、これも死語?