ダバダ〜も遠い昔
ところでコーヒーの話だが、『作家の珈琲』という写真集が良かった。
小説家に限らず、表現者(落語家、写真家、デザイナー)の方々とコーヒーや喫茶店にまつわるエピソードで構成された本。
写真がふんだんに取り入れられていて、見ているだけでも楽しい。
時代的なものか、タバコを吸う人が多い。
作家、表現者だからといって、取り立てて味覚が敏感ということもないのだろうけれども、その作家の舞台裏に回って、覗き見をしたような気になってしまう。
あの人が、こんなにコーヒーを飲むなんて、こんなこだわりを持っていたなんて。
ファンならずとも引き込まれるエピソードにあふれている。
飲み方も人それぞれ。
行きつけの喫茶店で出されるコーヒーならなんでもよいタイプから、銘柄が決まっていたり、夫人の淹れるものしか飲まなかったり、カップの指定があったりと、こだわり方も千差万別だ。
コーヒーと一緒に軽食を取る人もいれば、スイーツが欠かせない人もいるし、コーヒーだけの人ももちろんいる。
ブラック派もいれば、ミルクたっぷりの人もいる。
特に有名な喫茶店は、巻末にまとめられているので、何かの折にでも訪れることもできよう。
東京や京都が多いのは仕方がない。
行きつけの喫茶店・カフェを持ったり、自宅でコーヒーを嗜むことが、さらに楽しくなる本だと思う。
取り上げられている作家の人たちは、いささか時代が古いので、新しい人を加えた続編が望まれる。
終わりの方で、「違いがわかる男シリーズ」が取り上げられていた。
「違いがわかる」、そう、ダバダ〜でおなじみの、「ネスカフェゴールドブレンド」のTVCMで出演した方々五人を紹介したページだ。
「違いがわかる」んだったら、インスタントなんか飲まないよね、と揶揄されながらも、人気があったコマーシャルでは無かったか。
昭和なコマーシャルだが、令和の今なら、どんな映像になるのだろうか。