コーヒーの香りは3種類、微妙に違います
ところでコーヒーの話だが、久しぶりの倉式珈琲なのだった。
本日のコーヒーは、ブラジル。
苦味が前面に出てて、美味しいったらありゃしない。
それにしても、本来は植物が自分を守るために備えているという苦味。
虫や動物から食べられないよう、苦味を出しているそうです。
ああ、それなのに、人間ったら、その苦味を楽しむために栽培までしているなんて。
でも考えたら、コーヒーの樹は、この苦味のおかげで栽培してもらえて、仲間を増やせているのだから、種の存続を考えたら、大成功と言ってもいいのかもしれません。
「俺を食べるな!」の苦味が、「ええ味出してまっせ」の苦味にすり替わってしまっている。
苦味や酸味は「食べてはいけない」サインなのに、コーヒーに関しては、なくてはならない味わいの元になってます。
不思議。
コーヒーは、匂いも大切。
今回のブラジルでは、それほど強くは感じませんでした。
でも、黒というよりかは、チョコレートの香り、ほんのり甘かった。
コーヒーの匂いは、まず粉を引いたときに感じます。
いつも、というわけではありませんが、挽いた後にミルのふたを開けると、ふわっと立ち上る香りを感じることがあります。
これはこれで幸せな瞬間。
お店でいれてもらうコーヒーでは味わえませんけど。
次に、コーヒーが運ばれてきて飲もうとする際に感じる香り。
ファーストインプレッション。
ここで香りを強く感じられると、いよいよコーヒーを飲むぞという気分も高まります。
この確認作業は欠かせません。
それから、一口飲んだ後に鼻から抜けていく香り。
香りの「あと味」、味、というのも変ですが。
これもまた、コーヒーの香りの味わいです。
そしてそれぞれが、異なった香りとなって嗅覚を刺激します。
同じコーヒーでも、それぞれの段階での香りを楽しめます。
今日はどれだけ違うのか、どんな香りの違いが味わえるのか、どれだけ違いを楽しめるのか。
味だけでなく、香りをゆっくりと嗅ぎ分けて楽しむ。
聞いたところでは、コーヒーには、確認されただけで、200種類に登る香りの成分があるのだとか。
200種類!
一体いつの間に、どこで作ったんだって思いますよね。
そうやって、我々人間を楽しませてくれるなんて、なんてかわいいやつ。
飲み干すのがもったいなく感じます。
でも、コーヒーは、劣化も早い飲み物です。
香りが飛んでしまう前に、堪能しなければなりません。
それもまた、一期一会なのでしょう。
眠気覚ましのためだけにコーヒーを飲むのではなく、ゆっくりと味の違いとか味の変化を香りとともに体感したいものです。