手帳を使って、美的感覚を伸ばしましょう
こんにちは。
てらぴーだよ。
そこそこきれいな夕焼けを見た夜に、手帳の時間です。
今日1日を丁寧に振り返りましょう。
コラムニストの松山猛さんが「夕焼け評論家」を名乗っているのを見て、「やられた!」と思いました。
それ、自分も、名乗りたかった。
「夕焼け評論家」、なんだかかっこいい。
ならば、逆に、「朝焼け評論家」はどうだ?
なんかしょぼい、奥行きがない。
やっぱり「夕焼け」ですよね。
夕焼けって、タイミングが合えば、素人でもそれなりの写真が取れる格好の素材だと思います。
例えば、高橋源一郎センセイのように。(「ベランダから見た石神井の夕焼け」高橋源一郎『追憶の一九八九年』角川文庫)
だから、夕焼けってずるい。
あなたは今年、どれくらい「こいつはすごい!」っていう夕焼けを見ましたか?
そう言えば、最近見てないなあという日常の風景は何ですか?(例えば「お月様」)
こんな風景が見られるのも一生に一度かも、といったすごい風景、絶景もいいですけれども、普段ちょっと気をつければ見られる風景も捨てがたいものがあります。
夕焼けに限らず、夜空とか、青空、雲の形、目を下に転じても、半径1メートルかそれぐらいでも、「絶景」を見つけられると思います。
ちっちゃい子のいる親御さんなら、その子の表情は言うに及ばず、しぐさとか、そこにいる存在そのものが、この時期を逃したらもう見られないかもしれない「絶景」になるでしょう。
「かもしれない」ではなくて、見られないと言い切っていいですよね。
考えてみたら、私たちの日常そのものが、もう見られないかもしれない風景に満ちてます。
何気ない景色だけど、あるタイミングで、とても美しい、あるいは、忘れられない印象を残してくれる。
たぶん今日一日の間にも、そんなのがたんとありましたよ。
「今日も昨日とおんなじ、取り立てて何もなかったなあ」というのでは、損してるかも、もう一度手帳を開いて、今日の行動をモニターしてみませんか?
で、各場面で、「写真を撮るならここ!」っていうシーンを探しましょう。
もしくは、あたりを見渡して、写真を取るに値するコーナーとかアングルを検討してみましょう。
もしかしたら、今いる部屋の中でも、ちょっと物の配置を変えるだけで、「インスタ映え」な景色が出現するかもしれません。
さらに。
いつもの出勤コースでも、散歩コースでも、お買い物コースでも、「これは!」と思う風景はないものか見つけましょう。
優れた造形だけが、美術を名乗れるのではなくて、普段のなんて事のない景色に「美」を見出せるのも、美的感覚かと思います。
単なる街角の風景写真なのに、アラーキー(荒木経惟あらきのぶよし)さんが撮ると、途端に「味」が出てきます。
あんなふうにスナップ写真を撮れたら、と思います。
機材の力ではなくて、そこに何を見出すか、ですかね。
今日のあれがすごかった、きれいだった、心にずん!ときた、そういった体験も、手帳に書き込んでおけば、美的感覚を養う訓練になると思います。
手帳は、だから、あなたの感覚器増量装置にもなれるのです。